2001年7月 初版第1刷発行 同年12月 初版第3刷発行
筑摩書房 ¥1800
日本を代表するアーティスト、奈良美智さんの1999年8月から2000年11月までの日記を本にしたものです
奈良さん、というと有名なのは胴の長いイヌや怒り顔の女の子たち
ちょうどこんなかんじですよね↓
大変恐縮な話ですが、昔はこの怒り顔の女の子たちが大嫌いで…
遭遇するたびに、心の中で同じぐらいの怒り顔になって「ふんっ」って対抗していました
(幼い…)
けれど、去年、タイに行く数か月ほど前からなぜか気になり、古本屋さんでこの本に出会い、気付けば奈良美智さんという人物、さらに怒り顔さんたちまで大好きになり、一時帰国の際には青森まで新幹線で駆けつけるほどのファンになっていました
『NARA NOTE』
この本には、奈良さんの「イズム」が随所にちりばめられ、溢れ返っています
本書から感じる奈良さんは、とっても真摯な人
「自分と向き合え 自分から目をそらすな 自分の足で立て」
それを日々自分に課し、自分にはっぱをかけ、作品を生み出していきます
たとえば…
「アトリエの中 蛍光灯に眼がくらみ
もうだめかと思う
窓からぬけだし 屋上へ登る
すべては地面にはりついて
鳥たちすら平行移動
軌道をはみだして
遠くへ飛び去りたいか?
いや この重力を逆手にとって
地球の真ん中へ爆弾を撃ち込め!」
外へ目を向けるのではなく、自分を追及しようと自らを鼓舞する奈良さんです
「笑いたければ、笑えばいい。
誰もが知らない自分が、ちゃんとここにいる。
自分のファイティングポーズをきめて。」
人にどう思われるかじゃね~んだーっ!というロックな奈良さん
「自分のファイティングポーズ」というところがたまらなく可愛くもあります
「遠くを見つめることじゃなくて、現実と向き合うこと。
足元を見つめなおして、ちゃんと両の足で立っているか?
しっかりと地面を踏みしめているか?」
ドイツという異国の地で制作にあたっていた奈良さん
どこにいても自分という軸をもち、逃げない言葉
ぐっときます
「ほら今だって、ずっとむこうの地平線を見てみろよ。
ぎりぎりんとこで、黄昏ていく空もきれいだぞ」
天才アーティスト奈良さんでさえ、日々自分との葛藤
ぎりぎりのところで勝負をしている
だからこそ奈良美智という人物はアップデートされていくのですね
「何かを発見することを、続けていけるなら大丈夫だ。それがほんの些細な事でもだ。僕の中で大切なのは、同じ木の枝に新しい新芽を見つけることであって、となりの気に生る果実に手を伸ばすことではない」
「今一度、靴の紐をしっかり締め直して。さ、いくぜ!当たり前だが、俺は俺にずっとついていくぜ。離れたりなんかするもんか!」
社会に刺激を与える作品を生み出す源流を見た気がします
精神の若さを保ち続けている人の内面を、垣間見た気がします
あの優しそうな外見にこのファイティングスピリット
やっぱり奈良さん
素敵すぎます
何度読んでも強力な刺激をくれる本です
私も私から目をそらさずに歩んでいこう
そんな日々のかけらを、このブログMIWA NOTEに綴っていこう
そう思う奈良さんファンなのでした
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