7月28日
東京国立博物館、平成館でのギャラリートークにお邪魔してきました
今回のテーマは「キリシタン関係遺品にみる聖母マリア信仰」
東京国立博物館には江戸時代のキリシタン迫害に使用された踏絵が収蔵されていることを聞きかじっていたので、「もしかしたらこの企画展でその踏絵が見られるのでは」ということも期待しており、せっかくなのでギャラリートークのある日に足を運んだ次第です
お話をしてくださったのは、東京国立博物館の教育講座室主任研究員の方
臨月がちかいのではというお腹の、知的で美しい女性
女性がこんなところでも活躍しておられると、なんだか嬉しくなってしまいました
さて、展示品を前にしながらのお話
まずはヨーロッパからもたらされた銅板油絵の聖母子像
頬を寄せ合い、イエスがマリアの顎に触れているポーズはどの国でも人気なのだそうです
次に、福井で発見された銅版画の数々
福井という場所で見つかったのは、同じくキリスト教徒である高山右近の父が福井で暮らしていた時期があったからだそうです
こちらは掛軸装に
昔の日本の人々が、異なる文化を彼らなりに取り込もうとしていた姿勢が感じられるようで感慨深いです
聖母マリアの聖歌が記された小さな小さな祈祷書
鉛でできたマリア様のメダル
肉眼では全く分からないけれど、X線などでその姿を確認することができるのだそうです
技術って素晴らしい…
そして、いよいよ念願の踏絵
ヨーロッパ製の真鍮レリーフを埋め込んだものや、それをもとに日本でつくられたもの
もちろんどれも、本物です
たくさんの人に踏まれたもの
生きるために、大きな葛藤を抱えながら自分の大切なものを踏んだ人
踏めなかったことによって凄まじい迫害を受けることになった人
最近、遠藤周作氏の名著 『沈黙』を読み返したばかりなので、非常に心に響くものがあります
そのほかにも、屋久島で捕えられて地下牢に入れられることになるイタリア人宣教師シドッチが携行していた「親指のマリア」や
迫害の激しかった浦上で収蔵されたロザリオなど、目が離せなくなる展示品がたくさん
「考える」よりも、「感じる」ことの多かった素敵な企画展示でした
やっぱり東京国立博物館、いい場所だな
この日は安藤広重の「堀切の花菖蒲」なども公開されていて、魅せられてしまいました
博物館をはじめとした上野公園
これからも、足しげく通う場所になりそうです
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